本書には青少年の「罪」を描いた3編の短編が含まれている。『葦の綿』：子屋の鈴と駅前の機関車屋で働く孝を好きになった。しかし、鈴は真摯な愛情を示しているにもかかわらず、孝はひたすら拒絶し、「私は家族を作ることができない」という、未来の幸せを放棄したかのような言葉を口にした――重い足かせを背負った彼を心で結ぶ、祈りのような恋。『半夏生』：女性カメラマンの里緒は現実と理想の狭間でもがいていた。彼女と彼女が初めて勇気を出して選んだ禁断の撮影の標的となった、両者の[+展開]間の制御下にあった関係が徐々に変調していく…『冬霞』：幼い双子の力と知佳は両親と雑草の生い茂った家で暮らしていたが、ある日、見知らぬ青年が突然家に入り、2人を連れて逃走した。「苦しみは二人の間の絆になる」。我妻草灯—『LOVELESS』。この目的地のない旅はどこへ行くのか。